悪いことは限度がない

イケメンで可愛いのは限度があるのに、ブサイクなのは限度がないという話がある。

よく考えてみれば、外見もそうだけど、性格や他の部分でも悪いことは限度がない気がする。

今まで生きてきて、「どうしてあんなにいい人なの！」って言葉はほとんど聞いたことがない？

連絡が途絶えて消えた男のせいで困惑したのは私だけじゃなかった。

厳格にシステムで管理されている各マネージャーたちにとっても、デリケートな問題だった。

もし結婚情報会社のサービスを利用したいなら、覚えておくべきことがある。

最低限のマナーを守らないと、ペナルティが課せられるということだ。

それほど時間は経っていない週末。

マッチングチームリーダーが積極的に推薦してくれた人と会うために、ソウル光化門に向かった。

友だちも嫌な気分を払拭して、天気もいいから素敵な出会いをして帰ってきてねって応援してくれた。

約束の時間は午後3時。

15分ほど早く到着して、カフェに席を確保して座った。

私も可愛いワンピースに靴を履いて、ヘアスタイルもそれなりに気を使って、お見合いに出かけたけど

面白いことに、隣のテーブルに似たようなカップルがたくさん見えた。

座っている姿勢を見れば一目瞭然。あ、彼らは今日初めて会ったんだな。やっぱり春だね。

ところが、この男は連絡もなく遅刻する。実はそこで気づけばよかったんだ！

背が高くてまともな顔をしているのに、フード付きのTシャツにトレーニングパンツを履いて現れた彼は

約束の時間より遅れてやってきて、慌てて向かい側に座った。

その瞬間、朝から急いで化粧をして準備した自分がバカみたいに見えた。

彼はコーヒーを一気に飲み干しながら、休むことなく圧迫面接を始めた。

「いつここに登録したんですか？」

「たくさん会ってきましたか？」

「自分で登録したんですか？それとも親御さんが登録してくれたんですか？」

彼はマネージャーが念を押していた、会って絶対にしてはいけない質問だけを、見事に選んで聞いてきた。

失礼だと思うけど、それでも気分が悪そうな顔を見せずに、一生懸命に答えた。

「妹さんと食事の準備をしに行かないといけないので、これで失礼します。」

彼の言葉に、戸惑いながらカフェの外に出た。

「私は車で来てるので、こっちに行かないといけないので…これで…」

そうやって、まともな挨拶もなく、振り返ることなく、彼は風のように消えていった。

会ってわずか50分だった。

そもそも、年齢差とかどうでもいいけど、マネージャーが推薦してくれたから「まあ、一度会ってみるか」って軽い気持ちで来たんだけど、

それでもこれはひどすぎるんじゃない？こんな目に遭うために、朝からコテで巻いたのか。

「はあ…会って別れた。」

「え、もう別れたの？？」

「妹さんと週末は一緒に食事するんだって。それを準備しに行かないといけないんだって。」

「うわ、聞くだけで嫌だな」

「わ…お酒飲まなきゃ」

「とりあえずうちに来なよ。旦那が迎えに行くから、来て二人で飲めばいいよ」

光化門のど真ん中で、耳を引っ張られたような気分で、しばらくの間気持ちを落ち着かせようとしたけど、どうしても落ち着かなかった。

四半期に一度しか会えなかった友だちに慰めてもらおうと思って、水原までバスに乗って一気に駆けつけた。

「なんで私って、こんなに人付き合いが下手なの」😭

翌朝、私の正式なクレームにより、両チームリーダーは緊急事態に。

史上最悪だったという泣き訴えに、相談チームリーダーとマッチングチームリーダーはどちらも驚愕した。

彼らは必死に私を慰め、とても申し訳ないと言って代わりに謝罪した。

「過ぎたことは忘れてください。そんな人と縁がなかったのは、むしろ幸運ですよ。彼を担当している私が、彼に一喝しましたよ」

「絶対に自信を落とさないでください。男がおかしいんですよ。」

その後、マッチングチームリーダーは、紹介する人をさらに慎重に選ぶようになった。

衝撃から立ち直った頃、今度は本当にいい人だと言って推薦してくれたので、大きな悩みもなく約束を結んだ。

背が低く、ぽっちゃりした体格の彼は、また今まで見たことのない新しいキャラクターだった。

「私は自分の欠点は体格だと思っているんですけど、それを他のことでカバーできれば、付き合うことになるし

そうでなければ、仕方ないと思っています。」

彼は外見の欠点と性格を他のことで補うタイプだった。

自信に溢れていて、基本的には礼儀正しい態度だったので

なぜフィードバック評価が肯定的だったのか理解できた。

ずっと自分の過去の恋愛話を休むことなく語り続け、「なんだ？」と思ったんだけど、最初から全部オープンにして

「それでもいいと思えば、付き合ってみてください」っていう感じ？

自分がすごく気に入らないわけじゃなければ、3回は会ってくれって言って、

その3回会うまでに2週間もかからないくらい、すごく攻撃的なリード傾向だった。

今まで出会ったことのないタイプの男性だったので、ただすべてが新鮮だった。

その男は、知っていることも多く、知っている分野も多く、口も多かった。

生きてきた話30%、恋愛したらこんな方向に進むだろう60%、

結婚したらこんなことどう思う？10%。かなり前向きな方向に進んでいるのは確かだった。

「自分の口で、そんなに自分の長所をためらいなく言う人、初めて見た。」

「自信家なのかな。あなたに本当にアピールしたいからそうかもしれないし」

話を聞いた友だちも、新しいキャラクターだと面白がっていた。

「恋愛したら車で送って行って、料金は取るけど、お金や物質では受け取らないよ。例えば、頬にキスとか？」

真面目さはないわけではないけど、会話がすごく率直で開放的だった。

まず言葉を発してから、少しだけ私の様子を伺うところを見ると、悪い意図はないんだなと思ったけど

私を何だと思って、こんな風に話しているんだろう。その危うい境界線で、必死に綱渡りをしているような感じは受けた。

自分の話ばかりするのか、他人の話もよく耳を傾けるのかは、会ってみればわかるだろう。

彼がすごく積極的にアタックしてきた結果、正式に付き合ってみてもいいかなと思って、OKした。

そして、2回目のデートだったかな。

仕事帰りに有名なカフェに行って、写真も撮って、ご飯も食べて、お茶も飲みながら会話をしていたんだけど

子供たちが騒がしく遊んでいる姿を見て、自然と子供に関する話題に流れが移った。

「僕は子供は絶対にたくさん産みます。」

「何人くらい産みたいんですか？」

「制限なしです。生まれるだけ産みます。」

「最近は2人以上はちょっと大変じゃない？」

「この点に関しては絶対に妥協しません。」

「その部分は夫婦で話し合って決めるものだと思うんですけど。」

「子供を産んだら僕が全部面倒みますよ。奥さんにワンオペ育児はさせません。」

「その話じゃなくて、状況的に子供をたくさん産むのは難しいかもしれないじゃないですか。」

「経済的なことを言っているんですか？」

「その部分は置いといて、私も30代後半だし、年齢的に体調が良くないこともあるでしょう。」

「ああ、そうかもしれないですね。それは認めます！OK。

でも、避妊は絶対に僕の辞書にはないですし、生まれるだけ産みます。」

「子供は女が産むものです。」

私は会話の中で、表情管理ができないのを感じた。

急に亭主関白的な匂いが漂ってくるのは、気のせいではないだろう。

私の感情の変化を彼も感じ取ったのか、表情が硬直した。

「うーん…私はお互いに話し合って決めるものだと思うんだけど。

でも、さっきみたいに『絶対に妥協はしない』みたいな言い方をすると、会話は成り立ちますか？」

「話し合わないという意味じゃないけど、そんな風に言葉尻を捕まえて引っ張ると、仕方ないよ。」

一瞬、耳を疑った。

わ…言葉尻を捕まえて引っ張るっていう表現を、子供の頃以来いつ聞いたんだろう。

それも、付き合うことになった恋愛の初期段階で！

あ…危ないところだった。私が一発殴りそうになった。

私は悪口を言うのが苦手な善良な人間ではない。

悪口を言う姿が嫌いで、まともな人間として生きようとしている人に近いんだ。

首筋を掠めるこの不吉な予感は、赤信号を点灯させて警告した。

このまま付き合い続けたら、終わり方は2つしかない。狂ったように喧嘩して別れるか、気が滅入って鬱病になるか。

相談チームリーダーにこの悩みを打ち明けた。

話を真剣に聞いていたチームリーダーは、不吉にも亭主関白的な姿が見られると言いつつ、

ダメだと思ったら、さっさと整理するようにアドバイスしてくれた。

数日間悩んだ末に、彼に電話をかけて、感じていた感情と悩みを話した。

私たちは性格が合わないようなので、関係を整理した方がいいんじゃないかなって伝えた。

ある程度予想していたのか、彼は落ち着いて聞いていたと思ったら

「正直、俺を好きだって言ってた女は2人とも整理して、この人に賭けたんだけど、こんな裏切り方をされると困るよね。」って、あきれた様子だった。

「俺よりもっと良い男と出会えると思う？絶対に無理だよ。きっと後悔するよ。」

彼は最後まで自信満々の悪口を吐き捨てた。本当に自信だけは尋常じゃない人だった。

「私は後悔しない自信があるから別れたし、今まで一度も後悔したことがない。これからもそうでしょう。

ありがとう。良い出会いがあるといいね。」