<結婚情報会社ウェルカムトゥ> 本当の結婚は可能か？[25]

愛は人を変える

世の中で最も簡単で難しいことは、言葉で表現することだと言われた。

ありがとう。ごめんなさい。好き。嬉しい。愛してる。

表現も片方だけで一方的にしていると、いつかは疲れてしまい、不満が溜まってしまうものだから

表現することにお金はかからないから、ケチる必要はないと友人は忠告した。

彼も元々表現が得意ではなかったそうだ。

色々な恋愛番組を見て、もっと早く表現しておけば良かったと後悔したらしい。

彼は欠点を克服し、変化しようとする意志があり、実行できる人だったし、

私もそうだった。

恋愛中は少し無口な面が多かった私は、愛らしい彼に染まっていった。

赤ちゃん言葉までは言えないまでも、適当に誤魔化さずに、正確に表現しようと努力した。

結婚して40年以上経つ両親が、晩年戦争を経験したことがあるのだが

その時に友人に薦めてもらって、プレゼントとして贈った本がある。

長年の結婚相談の経験を持つゲリー・チャップマンが書いた『5つの愛の言語』だった。

簡単にまとめると、人はそれぞれ第1の愛の言語が違うので

自分と相手の愛の言語が何かを理解し、把握することが重要だと説明している。

承認の言葉。一緒に過ごす時間。プレゼント。奉仕。スキンシップ。

承認の言葉が第1の愛の言語である人に、スキンシップばかりしても、愛情の欲求は満たされないし

一緒に過ごす時間が第1の愛の言語である人に、高級ブランドのバッグをいくら渡しても、愛情の欲求は満たされない。

愛は学び、習得すべき技術だと、本には書いてある。私はとても共感した。

彼は私が嬉しくて笑う時と、恥ずかしがる時に笑う声が違うと言っていた。

だから、恥ずかしがるタイミングで、見事に「恥ずかしいのか？」と囁いた。

彼は外見上は少し内気で人見知りすると言われているが、私は絶対にその言葉を信じられなかった。

本人もこんなに率直な面があったことに驚いていたが

やはり愛は人を変える魔法のような側面があるのは確かだ。

私は星の王子さまの砂漠のキツネのように、彼と今日会うと分かると夜明け前からワクワクしていた。

空高く舞い上がったピエロが降りてくる気配のない私に、親友が言った。

「元々は無表情で気品のある女性だったって彼氏に話しておいて。」